レザーと聞くと、「牛革」「豚革」「馬革」「ヤギ革」などが思い浮かぶ方が多いのではないでしょか?
実際一般的にお店に置いている革製品は上に挙げた4種類がメジャーです。
しかし、世の中にはもっと変わっていて面白い魅力的な革がいくつも存在します。
珍しい皮を使った革を「エキゾチックレザー」と言われたりしますが、各種類に魅力や面白みがあるので徹底的に紹介していきたいと思います!
今回紹介するのは「クーズー(Kudu)」と言われるエキゾチックレザーの中でも珍しいレザーの種類です。みなさん、クーズーって動物知ってますか?
痛めば痛むほど独特な味が出る少し変わった希少なレザーのご紹介です!
クーズー(Kudu)ってどんな動物?
クーズーは2010年に南アフリカで開催されたFIFAワールドカップを見ていた人なら馴染み深い動物かもしれません!
というのもこの立派な角は南アフリカの伝統楽器「ブブゼラ」の起源になったとされているからです。(ただ、異論もあるみたいなので、あくまでも一説です)
アフリカでは楽器になってしまうくらい馴染みのある動物みたいですが、日本で知ってる人は本当に珍しいです。
クーズーは見た目はシカ?トナカイ?のようなんですが、こう見えてもウシ科なんです。体の白い模様が特徴的ですね。
ジンバブエの国章にもなってます!
クーズー革の特徴と魅力
クーズーはウシ革の強さにカモシカのしなやかさを持ち合わせたレザーです。
その見た目のように「優しくて強い」男前な特徴を持っています。
そんなクーズー革は5つの魅力があります!
①野生を生き抜いた勇ましい傷たち
②自分らしさをさらにアップさせる繊細な革
③表はウシ革、裏はスウェード
④素晴らしいエイジング(経年変化)
⑤あまり市場に出回らない希少性
野生を生き抜いた勇ましい傷たち
レザーといえばその綺麗な見た目や質感がとても人気で、そこから段々と変わっていき自分好みの物になっていくのが根強い人気の理由の一つです。
しかし、クーズー革は入荷時にはなんとびっくり傷だらけなのです。
(写真の右の財布にある黒い線が傷です)
この傷はまだ生きていた頃に野生を生き抜く中でついた傷です。
新品の革なのに野生の生々しさが伝わってくるのがクーズーの一番の魅力でしょう。
アフリカという地をしっかり生きていた証を手元に感じることができて、その傷のかっこよさに圧倒されます!
もちろん個体ごとに全く違う傷や模様が出ているので、世界に一つだけのオリジナルのクーズー革を手に入れることができます。
自分らしさをさらにアップさせる繊細な革
さらに、元からある傷に加えて軽く爪を立てただけで目にわかる傷がつきます。
僕の財布の若干白くなっているところが僕がつけた傷です。
初めは「うぉ!」って焦りますがこの傷が徐々に馴染んでいき、まるで生きていた頃についたのではないかと思うほど見事に映えます。美しいです。
元々の傷も世界に一つだけなのに、日頃つく傷でもまた自分らしさを演出してくれるクーズー革の繊細さはとても魅力的です。
表はウシ革、裏はスウェード
ウシ科なのでもちろん表面はウシ革に似ています。しかし、裏を見てみるとスウェード生地なんです。
スウェードは本来、子牛や山羊の体毛を起毛させることによって作っていきますが、クーズー革は元から裏面が良質なスウェード生地という珍しいレザーなんです。
表のウシ革もとても良いのですが、裏のスウェードに惚れてスウェード靴を作ってしまった人もいるほどだとか。
両A面のジャケットCDのような、素敵なレザーです。
素晴らしいエイジング(経年変化)
やっぱりレザーを使うときの一番の醍醐味はそのエイジングですよね。
もちろんクーズー革もその経年変化が楽しめるレザーの一つです。
使えば使うほど手の油でツヤが出て、色が濃くなっていきます。
使用していくと若干色に差が見えてきますが、ある程度の色までいくとそれ以上濃くならないので長く使えば使うほど色が均一化されていき、一段とかっこいい財布になります。
そこに上でも紹介した傷が相まってとても渋い大人の表情を見せてくれるのがクーズーの特徴です。
写真の右下が6ヶ月使用、左上が新品です。
あまり市場に出回らない希少性
日本でクーズーを飼育しているところはどこもないことから、その希少性はレザーの中でもトップクラスです。
アフリカで野生のクーズーを狩ってきて、イギリスの老舗タンナー「Charles.F.Stead」で皮から革に変わります。
Charles.F.Steadと契約しているレザーショップしかこのクーズー革を取り扱うことができないので、その希少性はピカイチ。
僕が知っているところだとおそらく2つのブランドくらいでしか取り扱いがないと思います。
クーズー革財布を買うならココ!
最後にココまで紹介したクーズー革財布を買うことができるブランドをご紹介します。
僕はMOTO(モト)の南青山店ででクーズー革に出会い、店員さんの本池さんという方からたくさんお話を聞いてその魅力に取り憑かれ財布を購入しました!
めちゃくちゃ愛用してます!
クーズーはその希少性や革の取り扱いの難しさから在庫数が限られているので、気になっている方はお早めに。
①LEATHER ARTS & CRAFTS MOTO
価格 | 21000円(税抜) |
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サイズ | 縦10.0cm×横18.0cm×マチ1.7cm |
内装 | コインポケット×1、札室×2、カード室×3 |
カラー | ナチュラル |
MOTOの「elle」というシリーズのL字型ロングウォレットです。一枚皮で構成されている贅沢な財布です。
中の小銭入れはイタリアンレザーを採用しており、ジップなども使用していないため小銭が取り出しやすいです。
一番の特徴は加工は最低限にしており、カラーがナチュラル一色のみ。
自然に一番近い形の革を加工するので、経年変化も非常に楽しみやすい極上の逸品です。
左右ににお札入れがあり、カードは1室で2~4枚くらいはいるので収納力も高いのも魅力的です!
②SLOW&CO
価格 | 25000円~28000円(税抜) |
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サイズ | 縦9.0cm×横20.0cm×マチ1.0cm |
内装 | コインポケット×1、札室×2、カード室×13 |
カラー | BLACK、STONE、NOIX |
SLOWの「smart long wallet」というシリーズです。
持ち運びを重視したロングウォレットで、薄マチになっているのが特徴です。
MOTOの財布と比べると少し薄く横幅が広いのが特徴的です。
薄いのにカード入れが豊富にあり、小銭入れや札室も充実しています。
こちらは逆にカラーが3種類から選べるので、自分に合ったクーズー革を選ぶことができます。
傷まみれのクーズー革のお手入れの方法
先にも紹介した通り、傷は魅力で手油でツヤも出てくるのであまり手入れをしなくても綺麗にどんどん育っていくというのもクーズー革が魅力的な理由の一つ。
メンテナンスは半年に1回すれば問題ないそうです。
ただどうしても気になるということであれば、馬毛のような柔らかいブラシなどで丁寧にホコリを落としてあげます。
基本的にはこのくらいで問題ないです!
強くて優しいたくましいクーズー革まとめ
クーズー革はお目にかかれることがあまり多くない貴重なレザーです。僕が買った時には店に一点しかなく、次入ってくるのもいつかわからないと言われました。
表面は荒々しさすら感じるクーズーですが、裏を見てみるととても繊細なスウェードになっていてそのギャプに僕は完全にノックアウトでした。笑
もしお店で出会うことがあったら、次はいつ出会うかわからないレザーなので是非手にとってその革感を確かめてみてください!
店員さんにクーズーのことを話すと驚かれるかもしれません!